これからのことを考えると、決めなければいけないことが山のようにある気がして、途方に暮れているかもしれません。
でも、実は——今のあなたが決めなければいけないことは、とても少ないのです。ここでは「今決めること」と「あとでいいこと」を、分けてお伝えします。
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今決めるのは、ほとんど「いつにするか」だけです
処置や分娩の「方法」は、基本的に医師から提案されます。赤ちゃんの週数や、これまでの出産・手術のご経験によって、医学的に取れる方法がほぼ決まってくるからです。あなたが医療の知識を持って選ばなければいけないわけではありません。わからないことは、そのまま「わからないので教えてください」と聞いて大丈夫です。
あなたに聞かれるのは、主に「いつにするか」です。翌日のこともあれば、数日後、あるいは1週間ほど考える時間を取る方もいます。——この問いに、正解はありません。家族の段取りで決めてもいいし、心の準備の時間で決めてもいい。早く決めても、ぎりぎりまで迷っても、どちらも間違いではありません。
私のときは、「まだお腹にいてほしい」と「早く出してあげたい」——ふたつの気持ちが、一晩じゅう引き合っていました。迷った末に、早い日を選びました。ふたつの気持ちは、どちらも同じ場所から来ています。この子を大切に思う気持ちです。だから、どちらを選んでも、それはあなたの愛の形です。
それから、これは聞く側だった頃の私から、お伝えしたいことです。「いつにしますか」という問いは、あなたの覚悟を試すものではありません。答えの早さで、何かを判断されることもありません。聞く側は、すぐ決められない方には「待てるなら、待ちたい」と思っています。「決まったら、夜遅くでも連絡してくださいね」と言ってくれる病院も多いのです。迷う時間を、遠慮しなくて大丈夫です。
それでも、体の状態などで、待ってあげられないときもあります。ごめんなさいね。——それはあなたのせいではなく、あなたの体を守るためです。急いで決めたことも、間違いではありません(そのときのことは、前の記事にも書きました)。
「お願いします」と言うことについて
ひとつだけ、先にお伝えしておきたいことがあります。
処置や分娩に進むとき、あなたは同意を求められます。死産以外の道はないと、頭ではわかっている。それでも、自分の口で「お願いします」と言うこと——私は、これがいちばん苦しかった。
もしあなたが、その言葉を口にするとき、声が出なくても、時間がかかっても、涙が止まらなくても。それで構いません。あの「お願いします」は、赤ちゃんを手放すことに同意した言葉ではありません。あなたの体を守る医療への同意です。あなたが選んで、この子を手放したわけではないのです。
あとで決めていいこと
次のことは、今すぐ決める必要はありません。それぞれのタイミングで、病院のスタッフから改めて聞かれますし、一度決めたあとで気持ちが変わっても大丈夫です。
- 赤ちゃんに会うかどうか、抱っこするかどうか
- 写真や手形など、思い出を残すかどうか
- お名前のこと
- お見送りや火葬の形
これらは、それぞれ別の記事で、ゆっくりお伝えします。今は「あとで決めていいことがある」とだけ、覚えておいてください。「今はまだ決めない」と決めることも、立派な選択です。
誰かに任せていいこと
そして、あなたが決めなくてもいいことも、あります。
- 職場への連絡や、当面の調整
- 親族への説明の一部
- 入院の荷物の準備、家のこと、上のお子さんのお世話の段取り
……と書きながら、白状すると、私自身はほとんど任せられませんでした。入院までの数時間、家族が困らないように家のことや子どものお世話の段取りを整えることで、頭がいっぱいでした。だから「任せましょう」とは、簡単には言えません。
ただ、ひとつだけ任せたものがあります。両親と、義理の両親への連絡です。夫に頼みました。あのとき私は、実の親とも、義理の親とも、話したくなかったのです。伝えた瞬間の相手の反応を受け止めることも、必死に慰めようとされることも——あのときの私には、耐えられる自信がなかったから。
親の声を聞きたい人は、電話していい。話したくない人は、話さなくていい。「実の親にさえ話したくない」と思うことも、「慰めの言葉が入ってこない」ことも、冷たいことではありません。あなたの心が、いま自分を守ることで精いっぱいなだけです。
そして、最初の連絡だけでなく、そのあとの窓口も夫にお願いしました。「しばらく、私への連絡は夫を通してね」と、やわらかく伝えてもらったのです。おかげで、スマホが鳴るたびに身構えずに済みました。心の力を、返事を考えることに取られずに済んだのです。「窓口をひとつにする」——もし頼める人がいたら、これはとてもおすすめです。
全部でなくていいのです。「これひとつだけ、お願い」が言えたら、それで十分です。
おわりに
決めることは、少ない。あとでいいことが、ほとんど。任せていいことも、ある。
今日はこの3行だけ、持ち帰っていただければ十分です。

