「赤ちゃんに会いますか」と聞かれて、答えられずにいるかもしれません。
先にお伝えします。この問いに、正解はありません。会うことがより深い愛で、会わないことが冷たいのでは、決してありません。この記事も、どちらかへ導くためのものではありません。ただ、決める前に知っておいてほしいことが、いくつかあります。
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怖いと感じるのは、冷たいからではありません
会うのが怖い。どんな姿なのかが怖い。会ったら、もっとつらくなりそうで怖い。——そう感じることは、おかしなことではありません。
正直に書きます。助産師である私自身、病院で働いていた頃、亡くなった赤ちゃんと接することが得意ではありませんでした。命が失われた体に触れることへのためらいは、専門職であっても消えないものでした。だから、初めて向き合うあなたが怖いのは、当たり前なのです。怖さは、愛情の足りなさではありません。
「全部か無か」ではありません
これが、いちばんお伝えしたいことです。「会う」と決めたら全部を見なければいけないわけでも、「会わない」と決めたら一切が閉ざされるわけでもありません。
私は、会いました。けれど、生まれてくるその瞬間だけは、見られませんでした。目を瞑っていました。夫は、見ていました。同じ部屋にいて、夫婦それぞれが、自分の見るもの・見ないものを選んでいたのです。どちらも、間違いではありませんでした。
会い方にも、いろいろな形があります。
- 先にスタッフから、赤ちゃんの様子を言葉で聞いてから決める
- おくるみに包まれた姿から。手や足だけから
- 写真だけ、先に撮っておいてもらう(見るかどうかは、あとで決められます)
- 少し時間を置いて、気持ちが向いたときに
「ここまでは会う。ここからは、今はやめておく」——そんなふうに、部分ごとに選んでいいのです。迷っているなら、そのまま迷いを、助産師や看護師に話してみてください。あなたのペースに合わせる方法を、一緒に探してくれるはずです。
私の場合
私は、怖かったけれど、会いました。
生まれてすぐ、まだ温かいうちに、胸の上に乗せてもらいました。——本当に、生きている子を抱いているようでした。上の子たちが生まれたときと、変わらない感触でした。あの感覚は、今でも鮮明に思い出せます。私にとっては、会ってよかったと思える時間でした。
これは、私の場合の話です。状況によっては、生まれてすぐの抱っこが難しいこともあります。それでも、会い方の形は、そのときどきで一緒に考えてもらえます。
一度「会わない」と決めても、変えられます
「会わない」と答えたあとで、やっぱり会いたくなったら——全然、大丈夫です。お見送りの日までは、気持ちが変わったら、そのたびに伝えていいのです。聞く側も、気持ちが変わることには慣れています。
ただ、ひとつだけ。なかには「そのときにしかできないこと」もあります。たとえば、赤ちゃんをお風呂に入れてあげられるのは、多くの場合、病院にいる間だけです(週数や状態によって、できるかどうかは変わります)。迷ったときは、「これは、あとからでもできますか?」と聞いてみてください。今しかできないことか、あとでもできることか——それを、スタッフは知っています。教えてもらったうえで、決めればいいのです。
もしかしたら、「会わない」と伝えたあとに、スタッフからもう一度「本当にいいですか」と聞かれるかもしれません。それは、あなたの答えを疑ったり、責めたりしているのではありません。この機会が、あとからは取り戻せないものだと知っているから、確かめずにいられないのです。それでも「会わない」というあなたの答えは、ちゃんと尊重されます。
そして——もしあなたが、すでに「会わない」を選んで送り出しを終えた方なら。その選択は、あのときのあなたが、自分と家族を守るために選んだ道です。間違いではありません。
家族も、会えます
会えるのは、お母さんだけではありません。お父さんも、上のお子さんも、祖父母も会えます。誰に会ってもらうかは、ご家族で決めていいことです。
私の家では、上の子たちは病院に来られなかったので、家に帰ってから会わせました。そして——両親と義理の両親には、火葬に来ることを遠慮してもらいました。これも夫から伝えてもらいました。親の前では、人目をはばからず泣けずに、我慢をした送り出しになってしまいそうだと思ったからです。
今でも、孫に会わせてあげればよかったかな、と思わなくはありません。それでも、あの送り出しを、いちばん近しい家族だけで守れたことを、後悔はしていません。——「誰と最後の時間を過ごすか」も、周りの期待ではなく、あなたが決めていいことなのです。
おわりに
会っても、会わなくても。全部でも、一部だけでも。あなたが決めたことが、あなたの答えです。
決められないうちは、決めなくて大丈夫。「まだ決められない」と伝えることも、立派なひとつの答えです。

